歌コレ2024春振り返りコラム -無色-

3/223/25で行われた歌ってみたColletion2024春、通称歌コレ2024春が終わりました。


この歌ってみたの祭典の振り返りを今回はしっかりここに置いていこうと思います。

一言でいうと濃厚だった。

1つの想いで走り抜けた。


歌コレに参加した方も、リスナーの方も、そうでない方もよろしければ読んでいただけると嬉しいです。



歌コレ2024春について


歌コレ2024春には、ルーキー部門とグループ部門に参加させていただきました。


ルーキー部門はR Sound Design先生の「神曲」グループ部門はアカヨウチュウさんの「ポストに合い鍵」を作品として投稿しました。


今回のコラムは主にグループ部門の作品を通してのお話しとなります。

ルーキー部門の方は開催までのブログ記事を読んでいただけると、どういう取り組み方だったかご理解いただけると思います。


愛が重たいので長文になるため、

何章かに分けてコラム的にお届けします。



では本編をどうぞ!


〜プロローグ〜


僕の歌コレが終わった。

終わりを認識したその瞬間、晴々とした気持ちと、悔しい気持ちと、感謝の想いが混沌となって腹の中でぐるぐるとした。

この4日間における体験は、結論から申し上げると日常では得られない経験となった。

何よりも1番に、「ポストに合い鍵」の原作者であるアカヨウチュウさんに1番にお礼を申し上げる。


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1 無色透明祭〜


ポストに合い鍵という楽曲は、無色透明祭というボカロ曲のイベントでアカヨウチュウさんが投稿されていた作品。

無色透明祭にはランダムで楽曲を再生するボタンが用意されていて、僕がこの作品を知ったのはランダムボタンを3回押した時であった。


楽曲製作者の名前が匿名で投稿される本企画では、バイアスを限りなく落として音楽を聴いて楽しもうというコンセプトを感じていて、何気なくふらっと聴いてみようと思ったのがきっかけ。


活動を初めて一年も満たない僕には、ボカロPさんや歌い手の仲間というのは皆無に等しく、誰かに期待して望むものもなかったので「無色」の企画は地元の銭湯に入りに行くような感覚でふらっと立ち寄れる雰囲気があった。


そんなふらっと銭湯にきたつもりの僕に衝撃を走らせたのが「ポストに合い鍵」。

今まで自分勝手に思っていたボカロ曲のイメージやボーカロイドのイメージをことごとくひっくり返され、頬を叩かれたのである。


「何これ」と。


まずもって音数が少ない。

リズムはゆっくり。


この時点でボカロ歴の浅いバイアスばりばりのボカロ文化初心者には「異質」に思えた。

加えて、ボカロの歌が人に等しい歌唱をしていてさらに「異質」に見えた。

この曲を聴くまでお恥ずかしながらSynthesizer Vというものを知らず、

特にRyoの声に驚きを隠せなかった。


あわあわとする僕、まるで銭湯のジェットバスに入ろうとしたら、思ったよりも浴槽が深くて足を取られてしまったかのようなあわあわ。


さらに曲解説を進める。

驚いたのが曲の進行で女性パートの裏命が出てきた瞬間。音楽の中でやりとりをしている男女を意識したデュエット曲であったこと。

歌詞の投げかけにある

「わかってるの?(裏命

「わかってるよ(Ryo)

で進行する物語。


物語なのに歌詞は繰り返しを多用する。

確実に存在している男女の情景が、少ない歌詞で構成されている。

1から10までを説明する歌詞ではないのだ。言葉を選ばずに言うと、背景を読み込まないとわかりにくいとも言えるかもしれない。国語の試験に「この時の男女の心情をそれぞれ答えよ」なんて問題に使われそうさえある。


だけどもしかし、繰り返し使われる「わかってるよ」の歌詞は、後ろの音の印象につれて歌詞の意味を変えてきていることを感じとった。


表現というのは言葉の形だけじゃなく、音でも伝えることができるのだと、それが音楽だと言わんばかり。うちのめされる。


この時点で僕の負け。

恋は落ちた方が圧倒的に不利。

どうしようもなくなるのである。


つまりは、「この曲を歌いたい。」

これが僕と「ポストに合い鍵」という作品との恋のはじまり。(片想い)


無色透明祭は製作者の答え合わせというのがあるようで、恋に落ちた私はそういうのも知らないため、普通に「ポストの合い鍵」をコメント付きリポストでXに投稿していた。


そこに原作者であるアカヨウチュウさんがリプライをくれたのが出会いのはじまり。


歌いたいというコメント付きリポストへのリプライで「よければMixもしますよ」なんて言われるものだから、僕は末恐ろしい感情に襲われた。


でも恋した気持ちが強くて、数日後に気持ちと勢いだけのボーカル音源を送りつけていた。後でアカヨウチュウさんが歌えるボカロPということを知り、なんてことをと後悔した。


そんなこんなもありながら、

お忙しい様子だったので、気長に待つかくらいの気持ちで日々を過ごしていた。


アカヨウチュウさんはこの時、パトラちゃんまもなくそして、先日のボカコレ作品「夢想家は自身の固有名詞が喪失される可能性についてまだ気づかない」(あっていますか)と立て続けに創作をされていて、funnyな予告含め楽しませていただいていた。


ボカコレへのお祝いコメントへのリプライでアカヨウチュウさんが、ポストに合い鍵の歌ってみたについて触れてくれて、「よければmixしますから、忘れてないよ」的なことを返信してくれもした。


前述の通り悲惨な音源を送ってしまったと落ち込んでいた僕は、「"よければ"  "歌がよければってことか…?"  これはいけずな京都人パターンで、あんさんの音源なんてこのままではあきまへんわ」と言われているのではないかと疑心暗鬼になっていた。勝手に。

(京都は学生時代から大好きな街なので、いけずは愛です。末廣さんの鯖寿司ラブ)


けれども、恋する気持ちというのは時に人を大胆に変えるのである。


ボカコレ直後でボロボロであろうアカヨウチュウさんに思い切ってDMをした。


「ポストに合い鍵の話し、よかったら歌コレに出させてもらえませんか」


前述の通り、ご本人がMixをするというのにも関わらず、ボカコレ直後にも関わらず、なんて厚かましいんだと、自分でもそう思った。


けど、歌いたい、この曲をもっと知ってもらいたい。


これは僕の活動理念でもある「好きなことを発信する」という大義に相応しい感情。


かくして、歌コレグループ部門に向けて転がりはじめた。

初めて曲を聴いた時から自分で歌うイメージがあり、誰と歌うかもすぐに浮かんでいたので、すでに女性パートの音源は送っていた。


男性パートは、歌い直させてほしいと伝え、僕は歌をとりなおすことにした。


1 



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〜 2 歌ってみたとは  に続く




📮章末小噺🔑

女性ボーカルはちょこさん。普段はちょこちゃんと呼んでいる活動開始前からの歌仲間です。

ちょこちゃんの声は透明感があるのに芯があるから擦れない。軽やかな強さを秘めた声で言葉になる前の音をうまく残せる歌い方ができる人。気心が知れた仲というのもありますが、この曲ではちょこちゃん以外の正解はなかったと思っています。