〜3章 歌コレを終えて〜
歌コレ2024春 大会を終えて1週間が経ったわけだが、大会期間中どうだったかというよりも、この大会を通しての感想をまとめてこのコラムを閉じたいと思う。
定量的な数字にしろ、定性的なものにしろ
結果から振り返ればどうだったかということに過ぎない。
前章でも述べた通り、
今回の歌コレの目的は大好きな音楽を届けることであった。
この時点でランクインなど考えてもいないし、ランクインがそう簡単にできるものではないことも予想ができていた。
歌い手の皆さんは何かしらの想いをもって大会に参加している。そうでなければわざわざ大会には出ないだろう。
大会期間中のアクションも人それぞれであるし、届け方は人の数だけあると思っている。否定も受容もしない。その必要がないと思っている。
ルーキーから先に始まってまず真っ先に、普段Xでも絡んでくれているFFさんがきてくれたことが本当に嬉しかった。
そして、グループの方は自分のFFさんやアカヨウチュウさんの作品ということで聴いてくれた方も多く、それをきっかけにやりとりさせてもらえる方との繋がりも増えたのが何よりありがたかった。
グループ作品は5回ほど毎時ランキングにも顔を覗かせてもらえて、とても嬉しかった。
ランキングという形で目に見えることは、わかりやすくも届けられている状況証明になっている。
ポストに合い鍵という作品は、自分以外の方の音楽が一緒になっているわけで、叶うなら残る形で報われたいと思っていた。
とはいえ、大会の走り方は貫くこと、一度決めた自分のスタンスは貫かなければ意味がないと思っていた。これは挑戦であり、戦いであり、試練だった。
3日目の夜、作品の再生回数が止まり、凪が訪れた。
焦った。
どうしたらいいかわからなくなった。
この作品をどうやって届けたらいいか迷った。
原作者に申し訳ないとさえ思った。
もう終わりですね、なんてそんな雰囲気が流れるタイムライン。
少しずつ大会を振り返るポストがちらつく終局において、動けなくなった自分がいた。
このままでいいのか、
このまま終わるのか、歌コレ。
音楽に恋をして、歌わせてもらって、
背負わせてもらったのに、選手である自分がここで走るのをやめていいのか。
ゴールテープはまだ先なのに。
考えても思いつかないので、Xのポストに叫ぶしかなかった。
これはもうサンシャイン池崎先輩が降りてきて、「考えるな!大声で叫べ!!」と背中を何故か押された。そういう気持ちのポストだった。
この叫びは最終日0時を過ぎたあたりだったが、1時の毎時ランキングにポストに合い鍵が50位で顔を覗かせたときに思った。
想いがあったら何かわからないけど届くこともあるんだなと。
それがランキングというわかりやすい形で示されることはやはり酷ではあるが、そこにある意味は大きいと思った。
最終日の4日目、当然仕事なのでタイムラインに張り付くことはできなかったが、
通知が入ってくることが嬉しかった。
最後の最後、顔も足もヘロヘロで不格好な走り方をしている選手へのエールのようにも感じた。
そうして僕は、4日間の歌コレを走り抜けた。
僕の歌コレでの戦いは、誰かに届くことができたろうか。
作品を通して想いを渡すことができたであろうか。
こればかりは自分ではわからない、相手がいてはじめて、そして言葉を交わしてわかることだから。
この4日間は歌い手をしていなければ経験できないことばかりだった。
感情や想いがこんなにも忙しくなったり、真剣に何かに取り組むことができたのは久しぶりだった。
感動という言葉は、心が動くその様を表しているように思う。
ダビングのような鼠色の毎日を繰り返していた頃に比べると、様々な色をつけることができたのがこの大会だった。
唐突だが、全ての色を混ぜるとグレーになるらしい。そんな話しをどこかで聞いた。
仮にグレーになるとわかっていても、
色を足すことをやめてはいけないと思う。
そのグレーは自分が色んな活動を通して動いた心の色の積み重ねであって、より厚く、塗り重ねされたもの即ち経験を体現するものになると思う。
そして人間は白も黒もなく、限りなくグレーなものであると自認させられる。
キラキラと輝く色を放つ人。
やわらかな淡い色を放つ人。
混沌たる仄暗い色を放つ人。
様々な魅力があるが、
僕はグレーな人であり続けたいと思う。
人間らしいと思われるような人でありたいと思う。
だからこそ自身の活動は自分の好きなことがもつ様々な色を重ねさせてもらいたい。
その結果、torという活動者は歌い手なのか、料理研究家なのか、ただのオタクなのか、社畜なのかわからん。と思われたとしても、わかりにくくありたいと思う。
人間にわかりやすさなんてない。
色んなもので人間ができている。
人間らしくありたいし、
人間らしくもがき、苦しみ、落ち込み、喜び、笑う人たちを僕は応援したい。
これ即ち、僕もそんな人たちから応援される人間でありたいということである。
無色の出会いから始まったこの物語は、
ここに記すことで本当に終わる。
歌い手さん、リスナーさん、ボカロPさんあなたたちの放つ色に混ぜてもらえて嬉しかった。
そして原作者であるアカヨウチュウさんへ
一緒に走り続けてくれたことに改めて感謝を申し上げる。
歌コレ2024春、悔いなく恥じることなく走り抜けることができました。
僕の作品を聴いてくれた方、応援してくれた方、仲間の皆さまにも改めてお礼申し上げます。
僕は歌い手になれたって胸を張って言えそうです。言っていいかな。いいよね。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
歌コレ2024春振り返りコラム
終
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📮あとがき🔑
歌に対しての反省はそれはそれであります。素敵な歌たちに触れることで見えたことも多いです。
いつかパワーアップして歌コレに帰ってきたいと思います。
活動理念は変わりません。
なので相変わらずわかりにくい活動者に見えると思いますが、一人の人間としてお付き合いいただけると嬉しいです。